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●包丁を使えば（物に拠るが）比較的簡単に人を殺せる。
　既存の包丁は破棄し、今後は一切の使用および製作を止めよ。
論理と世間話 -（虚構世界内出版）

「で、奴さんは本当に話に乗ってくれるのか？」
時間にして午後１１時、今日やるべき事を全て終えた私は、
自らの部屋にある布団の中でだべりながら、
とある質問を担当であり、妹である少女にぶつけた。

「あの子が大丈夫って言ってくれたから大丈夫だよ」
彼女はその質問が飛んでくる事を予め予測していたかのように
答え、彼女も私の横で黒い本と格闘していた。
かくゆう私も滅び行く運命をただひたすら愛でよう････
と、思ったがそんな気分にはなれなかった。
何故ならば今宵彼女が考えた企画が始まる訳で････


「あ、ようやく来てくれたんだね。待ってたよ？」
少女の気配を感じ取った彼女はガラス窓を開け、その訪問者を迎えた。
「こんばんは」
黒いコートを身にまとったツインテールな少女は彼女と私に一礼をし、
「ええと、こちらの方は････」
と私を見て、彼女に助けを求めた。
「倖月、別に君を食おうとかそういう奴じゃ無いから安心して」
････適当に聞いていたが酷すぎる。････まぁ、間違ってはいないが。
「倖月様、ですね」
そう呪文を唱えるかのように私の名を言った少女に目があった。
年齢はこちらの世界で言うと１０歳から１４歳ぐらいだろうか？
漆黒のような黒い髪は灰色のリボンで括られており、
その暗い朱色の服はメイド服のようだった。
いや、言葉遣いからしてもメイドだろう････
････なんて言う考察をいている余裕は
少女が次に放った言葉で無くなってしまった。
「担当者さん、倖月様、これからよろしくお願いします」
「は、はははは････」
「こうづきさま」なんてとても似合わない言葉が
出てきたので思わず笑ってしまったのである。
「な、何か、いけない事言ったでしょうか？」
乾いた笑いを放っていた私に、恐る恐る少女が私に問いかけてくる。
そんな少女に私は
「いや、そんな事は無いよ、ただ倖月様は僕には似合わなすぎるから
倖月さんにしてくれ」と、本心を伝えた。
その事を聞いてほっとした少女は、笑顔を取り戻した。
「えと、それじゃ倖月さんよろしくお願いします」
「ああ、よろしく」

これが、「その 詩の中の英雄と････」と
呼ばれる企画の始まりである。

（この章を書き終えて）

ぐでんぐでんなのは仕様です。あまり突っ込まないでください(;´Д｀)

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