# 編集環境のままで見てもらうためあまりごたごたしたものは配置してません # 色合いはコマンドプロンプトより抽出。 # テキストの大きさや色環境は各自で調整してください ------- 薄明の音と薄明の空間 薄明は、日の出のすぐ前、日の入りのすぐ後の、空が薄明るい時のことである。 大気中の塵による光の散乱により発生する。英語のトワイライトも薄明のことである。 - wikipedia(日本語版) -- 「やーまだ寝て...」 と私は思ったのですが、ドヴォルザークの家路の音声はそれを許してくれませんでした。 そう私はそろそろ家に帰らないといけません。 過行く時間を惜しみつつも帰り支度を済ませて、博物館を出ることにしました。 日々寒くなりつつあるのでストールも忘れず羽織り、いつも通り...? そう、いつも通りわが家へと帰るのです。 何か頭の中にもやがかかっているような、大切な何かを忘れたような気がするのですが 気のせいでしょう。 そんな事を考えながら家路に向かっていると「それ」は現れました。 こじんまりとしたそれはまるで車輪のおばけ、 あるいは四足歩行する新種の虫、あるいは小さな鬼とも見えます。 本来なら実物をこの目でみるのは初めてだったのですが、 まるで今まで実物を見て、そしてそれには何をすればいいのかさえも 知っているかのように体が勝手に動いていました。 まずは携帯しているそれに少しばかりの気を預け抜刀。 そして写しを張って、御刀の切っ先をそれに向ける。 「これは本物の荒魂...被害が出る前に斬る...!」 いわゆる虫型荒魂と呼ばれるそれに袈裟切りを仕掛けたところ、 無事浄化する事に成功しました。 ...それにしてもさっきから御刀も思ったほど重くないし、 まるで幼い頃から...あれ?さっきからなんだろうこの違和感。 まだまだもや晴れませんが、ノロなったままだと色々と困ります。 ので、私はスマートフォンを取出しいつもの場所へと電話かけました。 -- が、少々厄介なことになりました。 「...写しを荒魂を祓えるという事はあなたは刀使と言う事なのでしょうが...」 とその女性はこう切り出して 「あなたは刀剣類管理局の刀使として登録されいません」 そう結論付けました。 それどころか偶然持っていた身分証を提示しても何故かデータベースに登録されてないとの事ですが、 そんな事はないはずなのです。 「え...でも私は知っていますよ...?」 「私からしてみれば初対面なのですが...何かのメディアで見たのではないのでしょうか?」 「いいえ、たぶん私はここの卒業生なんだと思います」 いまだもやはぬぐいきれませんが...私はこの人の事を良く知っています。 他の人よりも柔らかくて暖かく私を見守ってくれて...そして浴衣姿がよく似合う... 「羽島絵麻学長ですよね、ここまで育ててくださりありがとうございました」 「確かに私はそうですけど...さんですよね。やはり私はあなたの事を知りません」 と話はあい変わらず平行線のままです。困りました。 「あなたの事はよく知りませんが、 このまま御刀を持った刀使を置いておくのあれなので、一度私の学院に来てください」 と学長が私に言いました。 何も手がかりがない以上、学院に行くしかありません -- 程々の時間が過ぎるとその学院につきました。 「ここで御刀を預からせていただきます。それと一応卒業生らしくある事」 学長は私にそう言いつつ学院へと入ります。 そういえば今まで夕日に映る学院は見てなかった...? いやいや、私はここの卒業生だから見てる筈、 ああ、今日も学院に映る夕日は綺麗だなあと思いつつ歩いていると、 この学園の服を着た生徒が向こうから歩いてきました。 年は13,4でしょうか、黒く長い髪をリボンで自在に結びつつ 凛とした姿勢は育ちのよさが表れてそして...同年代の子にしては少し大きい? 「羽嶋学長、日々のお勤めお疲れ様です」 言葉づかいからして気品ある振る舞いは女の子の鏡なのですが、 その子の事を何故か知っていた私はこう切り出します。 「えと、柳瀬舞衣さんですよね」 そう切り出した柳瀬さんは私の方を少し見て、学長は柳瀬さんに問いただします。 「え...柳瀬さん...この人と知り合いですか?」 「そんな事はありませんが、何かの拍子で学外でも有名になったのでしょうか?」 どうしよう、二人とも困惑している... さっきから話がかみ合わないのですが、何かが掴めてきたような気がします。 何故、私が羽嶋学長や柳瀬さんの事を知っていて向こうは全く面識はないのか、そしてその他もろもろの事も。 「きっともやのせいです」 「もや?」 その解答聞いた学長は首をかしげますが、私は話を続けます。 「はい、うまくはいませんが頭の中にもやがかかった状態なんです、それが解決すればあるいは...」 なんとも要領も得ない答えをひねり出したまま立ち尽くした私たちの前に 二人組の生徒が来ました。 一人はツインテールで髪の先端が少々紅い女の子。 そしてもう一人は...て、このストラップ...そうだ... 「私の身体はむしろ昆虫に近い。 人間に見えるのは擬態に過ぎません?」 そうだ、私はこの子を知ってる...そうじゃない 「え、お姉さんもしかしてこの作品知ってる?」 もう一人の女の子の方が私に目を輝かせながら話しかけます。 凛として笑顔がまぶしくてそして誰よりも強くて... 「知ってるよ、"可奈美ちゃん"でも結構マイナーだよね」 「え、もしかして私の事知ってる?」 そう、この子は私だ。 ようやくもやが全て消えた感覚がします。 「羽島学長、私全部思い出しました」 私が何者で何処から来たのかも。 「そうですか、ならば話してくだいますか?」 学長はそういいますが、それそれで複雑です。 「何から話していいものか...」 私は困惑しながら話そうか悩んでいますが、 そう長くはここに居られないでしょう。 出来ればこの場所にもう少しだけ居たい。 もう少しだけこの子達と話がしたい... ですが、これは... -- と少女が思った瞬間に彼女は霧のように消えてしまいした。 その出来事に残された少女たちは少々驚きましたが、 驚いたままでも仕方がないので麻衣さんはこう切り出します。 「夢...だったのでしょうか」 それに答えるかのように可奈美ちゃんも 「でも、また会いたいなあ...名前聞きそびれたけど」 と言うと、学長はその事について触れます。 「名前なら知ってますよ、たしか...」 -- 夕暮れ時のことです。 珍しく自宅で寝てた私の携帯に着信音が響きます。 この着信音は...そうだ。 「もしもしぽんちゃん?今日空いてる?」 「...ん、大丈夫ですよ?」 「もしかして寝起きかな?それなら今から見つけた担々麺の店にいこ」 「担々麺ですか...場所を送ってください、今から支度します!」 「それじゃ1時間後に集合で!」 せっかくのお誘いに上に私の好物の辛いもの。逃す筈はありません。 そうとなれば上着を羽織り外に出る準備を手早く済ませます。 私は本渡皇国のかえで皇女!ごきげんうるわしう! ------- 後蹴り: 拙いものではありますが、頭の中の物をあらかた出せたと思います。 本当なら不思議なふわふわなものになる予定でしたが、 最後の最後でちゃぶ台返しを行いました。 これはひどいですが、こうしないと気が収まらない。 ところで作品由来じゃない元ネタが2つありますが、 それに関しては各自検索と言うことで、ごきげんよう! -- 簡易QA Q1:なんで皇女様は荒魂を祓えたのか、剣術はどこで学んだの? A1:記憶が混濁してるのと作品への強い愛がなせる技、無意識的に可奈美の剣術を使っています。 Q2:博物館の音楽はドヴォルザークの家路であってるの? A2:いったことがないのでわかりません! Q3:そういえばみほっちしゃべってないよね? A3:動かそうとして断念しました。みほっちへの信心が足りない!日頃からお世話になってるのに! Q4:ぽんちゃん...? A4:せや、味噌漬けにちてやる!